LYNCH SILVERSMITH 矢野氏とTROPHY CLOTHING 江川によるユニットプロジェクトブランド “MAMBA CULTIC(マンバ カルティック)” が遂に始動です。
思えば、矢野氏の生み出す作品に一人のファンとして純粋に触れたのが、20代前半の頃。
当時の矢野氏はリジットのショベルチョッパー。フリスコでもなくニューヨークでもなく、神戸スタイルとして細部まで徹底的に手を入れたフルスクラッチのカスタムでした。
バイクのカスタム、着ているレザーやパンツシルエットは、パーソナルなセンスが現れます。生み出す繊細かつ力強い作品は、センスと技術そのものです。当時から抜群でした。
結婚指輪も、LYNCH以外は考えておりませんでした。
今なお魅了され続け、15年の月日が経ちます。
そんな矢野氏とのプロジェクトは、この上なく光栄な事であり、TROPHYとはまた別の刺激的な服作りを楽しみたい一心です。
第一弾リリースは、ヴィンテージのランチパンツを再構築したトラウザース。
共通エレメントである70sユースカルチャーをバックボーンとしたプロダクトです。
ストレートレッグのすっきりとしたパイプドステムは、古くはカウボーイに愛され、60年代後半からのカウンターカルチャーを連想します。
デニムは、ブロークンデニムをチョイス。
右綾で織ったデニムが一般的ですが、これは左右両方の綾目で織っています。この特殊な織り組織によりジーンズ特有のシームのねじれを防止しています。
また表面に出るヨコ糸(白糸)の量が少ないので、ブルーが鮮やかに見えるのも特徴です。
古着好きにはラングラーでお馴染みですね。当時のカウボーイはプレスをパキッとノリ付けしてスラックスのように正装として履いていたので、この生地が好まれたのでしょう。
そして、これは矢野氏からの提案の一部メモ。
この股部分の角度(開脚量)を作るために独自の型紙を製作しました。
この開きに着目する人は、まずいません。
私自身も色々な資料、古着を調べました。
この開脚量によりタイトシルエットでも着用の窮屈さはなく、バイクライドにも適しています。
デニムは42 TALON 、サテンはグリッパーのzipperフライ仕様。
トップボタンはLYNCHメイドのシルバー “Good Bye.”
バックポケットは、上部を二重加工しウエスタンシャツのポケットを連想するシングルステッチで止め付けています。
トラッカーウォレットを入れた際の耐久性を考慮し、ポケット下部はシングルステッチそのままに中縫いして補強を入れています。
ファッションブランドとは異なる、気に入っている箇所です。
ヘリンボーンのストライプスレキには、もう一つのトレードマーク”Ouija (ウィジャ) ボード” いわゆるアメリカ版コックリさん占いです。
ブラックとホワイトは、Leeのウエスターナをイメージするサテンツイル。
デニムは当然注目ですが、実はこれもかなり良いんです。
光沢のあるスタイリッシュな生地感は、ナローシルエットとの相性が良いです。
フラッシャーデザインは、二人とも即一致で、MAGICAL DESIGN 内山氏に依頼。
アイディアを投げかけ、目の前でペンを走らせ、ラフ画を描く。
瞬時に生まれた、MAGICAL WORLDに感動しました。
原画をもとに、ウッドストックや当時のライブポスターのように手刷りしたフラッシャー。
どれも一枚ずつ、グラデーションの表情が異なります。
柔らかさとハリのある、非常に履きやすい生地で、私自身もハマっています。
MAMBA CULTICは、現在
“LYNCH SILVERSMITH STUDIO”と”TROPHY GENERAL STORE”のみで、ご覧いただけます。
ステレオタイプの無難な洋服も否定しませんが、いつもの生活にちょっとした刺激を与えてくれるのが、私の大好きな洋服やバイクです。
アフリカ大陸に生息する毒蛇の名に由来するマンバ。
型に捕らわれず、楽しみましょう。
6/3(土)本日より
TROPHY GENERAL STORE 店頭にてリリース。
百聞は一見に、いや一履きして下さいませ。
Egawa