ようやく涼しさが増して、店頭でロングスリーブのシャツ、ジャケットを手に取る方が増えてまいりました。
1stリリースから5年が経ち、Trophyレザーラインナップの顔として認知されてきた”Humming Bird Jacket“が今期も登場です。
朝晩の寒さと日中の暖かさが入り混じっていますが、今一番着たいアイテムです。
昨シーズンから展開しているオリジナルレシピで作ったホースハイド。
牛に比べ小傷がある為、クロームなめしでスレや傷を隠すのが一般的ですが、あえて素上げに近い厳選した馬革のサドルを昔ながらのタンニンなめしで自然な表情に仕上げています。
下地を茶色で染めた後、革表面のみ染色します。このタンニン鞣しの丘染めは一番古くからある手法です。
革はタンニンをしっかりと含んでいるので、着込む事で革に閉じ込められた油分が表面に現れ、シワ部分やアタリが付く箇所からツヤが出ます。
こちらは昨シーズンから着用し、革が馴染んできました。
革表面にツヤが現れ、厚みのある革特有のしっかりとした腕のシワが出来ています。
腰部以外に切り替えは付けず、背面は贅沢に一枚取りしています。
シンプルかつ、ツヤの出てきた革表面が非常に美しいです。
初期は裏地にウールを使っていましたが、 現在は磨耗に強い高密度コットンツイルを使用しています。
春先にも最適な厚みで、袖の通りも良くなっています。
カフス内には隠しリブが付きます。
バックルはサンドキャストでオリジナル製作したブラスバックルを使用。
ジッパーも以前はWALDES製レプリカでしたが、昨シーズンよりスライダーの滑らかさと耐久性を優先しUNIVERSAL製を使用しています。
古着で育った私も大好きなヴィンテージレザージャケット。
長年愛用されて育った革は何物にも代え難い雰囲気ですが、着れば着るほど当然コンディションは下がります。
それでも好きで手に入れ、日常使いで酷使し直しながら着ていました。
その経験をもとに、ヴィンテージを理解しながら新たな価値観を注ぐのが、私達のモノ創りの基本です。
馴染んだとはいえ、硬さが残る革の表情は、まだまだ魅力50%といったところでしょう。
骨董としてのヴィンテージではなく、着込むことで自分のシワで出来た価値ある一着に仕上げて欲しいと思います。
なかなかハードな道のりかもしれませんが、楽しめる方を歓迎します。
永いお付き合いお願いします。
egawa