発売から好評を頂いているAttractionsに別注をかけた”ARROW ENGINEER BOOTS”
エンジニアブーツは、中学時代に初めて履いてからもう何足目になるのでしょうか。
リーバイス501同様、スタンダードアイテムとして各ジャンルで長年愛され浸透していますね。
ブーツを企画するにあたり、様々なアイディアとアイテムを考察しました。
エンジニアは王道がゆえに変化球狙いのブーツで考えたり。
それも手ではありますが、数年で2軍落ちするファッションアイテムはやりたくないので、自身のスタンダードを提案します。
スチールの入らないシャープなDワイズと細かいステッチワークは、無骨さとスマートさを併せ持ちますね。
ミッドソールにオイルベンズを使用し、ヒールは斜めに4段積み上げています。アウトソールはグリップの良いビルトライトのセパレート。
ソール交換、ヒール交換といったアフターメンテナンスも当社が窓口となりお受けいたしますので、ご安心ください。
金型製作したニッケルのプレスローラーバックル。アールに沿った工業製品然とした雰囲気が、ワークブーツのハードウエアにはピッタリです。
アッパー部は本ヌメ染料染めのオリジナル茶芯ステアハイド。
写真の1stサンプルに比べると実際の商品は中の仕上げを綺麗にしています。
この粗野なラフアウトの質感も好きですが、厚めのブーツソックスでも足入れをしやすく引っかかりのない様、表面だけでなく裏面もしっかり仕上げています。
薬品加工を行わない素上げに近いタンニンなめしは革本来の自然な表情を持ち、使う程にブラウンが顔を出します。
バイクのライディングや日常のハードな使用を繰り返し、シャフトの立ち、甲部分、カカトの伸びを再考。オイル量と染めを見直し、裏面の磨きもやり直しました。試行錯誤から生まれた、オリジナルレシピのステアハイドレザーです。
私はウエスコ等のUSブーツで9 1/2、ARROW ENGINEER も9 1/2でジャスト。
穿き込み後はレザーに伸びがあるので、トゥがシャープだからといって、1サイズオーバーをチョイスする必要はありません。
TROPHYのデニム類とこれ以上、相性の良い革は無いでしょう。
生産を請け負って頂いた靴工場にも足を運び、製造の現場を見てきました。
当然の如く、衣類作りの縫製現場とは異なるミシン類と道具類。革の匂いが立ち込め、重厚感のあるミシンとそれを操る職人が作業する空間。
嫌いなハズがありません。
現場の風景をお見せしたいですが、そこはまたいつの機会かに。
完成後は、自分のハイエースに箱満載で引き上げて来ました。
そして偶然か必然か、今回手掛けて頂いた靴工場の担当の方も旧いバイク乗りです。
こういう所、実は結構重要だと思っています。
作り手の顔が見えるモノはやはり最高です。
今後もこのエンジニアは継続展開します。
そして、新たなオリジナルブーツも師匠に教わりながら進行しています。
年齢を重ね、沢山のモノを所有していくとスタンダードの良さって分かってきますよね。
5ポケットのデニムやエンジニアは歴史が物語る通り、普遍的な魅力があります。
時代の空気を纏い変化しながらも、大筋を変えずして存在する。
非常にTROPHYらしいブーツに仕上がっています。
Egawa